和室の塗り壁には土壁や繊維壁などがありますが、壁が古くなってくるとポロポロと剥がれ落ち掃除が大変になります。そんな時には、早めに補修をしなければなりません。また、シミや汚れが目立ってきてリフレッシュしたいときや和室を洋風に衣替えをしたいときには、DIYでリフォームを考えてみてはいかがでしょうか?
このページでは、そんな和室壁の塗り替えや補修をする方法を紹介しています。
和室壁の基礎知識
和室の壁は、壁紙を貼り付けたものもありますが、左官工事で仕上げる塗り壁という方法で仕上げがされていることが多いです。塗り壁の種類は、漆喰、プラスター、土壁、繊維壁などに分けることができます。
塗り壁は、継ぎ目のない一体の壁面をつくることができ、調湿作用があることに特徴があります。調湿作用とは、室内に湿気が多いときは素材が湿気を吸収し、乾燥をすると湿気を放出する作用です。調湿作用は、結露防止や適度な湿度の維持に効果があるといわれています。
漆喰
主に押入れの壁などに使われている素材です。耐火性、耐久性、調湿機能に優れています。原材料は天然素材を使用していますので、室内環境汚染の原因となる有害科学物質を発生させない壁材です。室内壁や外壁にも使われることもあります。
プラスター
西洋漆喰といわれており、漆喰壁に良く似ています。漆喰よりも硬く、乾燥収縮が少なく、亀裂が生じにくいといった特徴があります。また作業性も優れています。
プラスターは、空気中の湿気を吸い取る性質があるので、浴室や外壁に使いません。主に室内で多く使われてます。
土壁
土壁は、土を原料してつくられる左官仕上げの壁の総称です。京壁とも言われています。上塗りの土によって、じゅらく壁や大津壁、珪藻土壁といった種類があります。
土壁の特徴は通気性、調温性・調湿作用に優れており、日本の気候にあった壁材です。
繊維壁
繊維壁は、パルプや紙繊維などをのりで混ぜて水で練ったものを塗った壁です。吸音性や調湿作用は高いのですが、耐久性はあまりありません。最近は、使われれることが少なくなっています。
漆喰、プラスター壁の補修方法
ヒビ割れ
ヒビ割れが小さいときは、そのままではパテが入りませんので、マイナスドライバーなどでヒビ割れを少し広げておきます。
パテの食いつきをよくするために、ヒビ割れ部分を筆かハケで濡らして水分を含ませます。こうするとパテだけ剥がれるなんてことがありません。
ヒビ割れている部分に室内用の壁補修パテを塗りつけ、本のヘラでかき落とすようにすると表面が、なめらかに仕上がります。
壁用のパテと壁の色が合わない場合は水彩絵具で着色したものを使います。
完全に乾いてから、当て木をしたサンドペーパーで表面を平らに仕上げます。
穴を埋める
穴があいてしまった場合は、穴の大きさにもよりますが2~3回に分けて埋めていきます。1回で埋めると、パテが乾くときに、水分が蒸発した分、パテが縮んでへこむからです。
ヒビ割れの補修と同様に、補修する部分の周辺に筆かハケで濡らして水分を含ませます。
そして、穴の内側にバテを埋め、乾くのを待ちます。
次に穴の表面まですっかり埋まるくらいパテを入れ、ヘラを押しつけて表面を平らにします。
翌日には、パテが乾き、表面がへこむので、もう一度パテを塗り、ヘラで平らにして乾燥させます。
凹凸が目立つようなら、完全に乾いてから、サンドペーパー(240~320番)に当て木をして平らに仕上げます。
土壁、繊維壁の補修方法
繊維壁の砂落ち
繊維壁の砂落ちは、ノリがきかなくなっているのが原因です。専用の壁おさえスプレーを壁全体に吹きつけておけば、砂落ちはなくなります。
壁用の下塗り剤を塗ってから、塗壁と同じ色の塗料を塗るのもいいでしょう。
繊維壁の剥がれ
壁際がめくれてきたら、壁の裏側に木工用接着剤を塗ります。次に霧吹きなどで、めくれた壁を湿らせて、やわらかくしてから、壁にぴったり固定するように貼ります。
壁際だけでなく、ところどころ壁が浮いているなら、新しく壁全体を塗り直した方がいいでしょう。
砂壁の砂落ち
砂壁を、ちょっとふれただけで砂が落ちるようなら、スプレー式ののりか、水で薄めた木工用接着剤をハンディースプレーで壁全体に吹きつけます。壁の接着力を増やすことで砂落ちを防ざます。
和室壁の塗り替え
漆喰や土壁、繊維壁を塗り替える方法を紹介します。まずは、下地として使える状態かを見極めるます。壁を押してふわふわとしていなければ大丈夫です。もし、剥離などがあって下地として使えない状態であれば、その部分を剥がしてからパテや新しく塗る壁材などで下処理をします。
壁の下地を整える
古い壁全体に掃除機をかけ、ホコリを取り除きます。カビが発生していたらカビとり剤で取っておきます。
次に木工用接着剤を10~ 20倍に水で薄めて、ハケで塗ります。
ヒビ割れや穴があるときは、固めに練ったパテか壁材をつめて、コテで平らにしておきます。
尚、塗り替えに漆喰や珪藻土を使うときは、木工用接着剤の代わりにガードシーラーを塗る方が良いでしょう。
マスキングと壁材づくり
柱や窓枠など壁材がつくと困る部分は、ポリシートか新聞紙でマスキングしておき、コンセント等もはずしておきます。
壁材にはカビ止め剤を入れ、少しずつ水を加えながらよく練ります。30分くらいそのままにしておき、もう一度練ってから塗りつけていきます。
壁面に塗る
壁材をコテ板にのせ、コテで壁面に押しつけるように下から上に、コテの進行方向を少し浮かすように塗っていきます。左から右に塗る時も同じように塗ります。
全体を塗り終えたら
コーナーや壁際をコテの先端で軽くながしながら、もう一度押さえ、塗リムラをなくします。
塗り終わったら、スタンドなどのライトを壁にあて、凹凸がないかよく確かめます。凹凸があねばコテで整えます。
和室壁を塗料や壁紙で模様替えをする方法
和室壁の模様替えを考えるとき、塗装や壁紙を貼るといった方法もあります。元が漆喰やプラスターの壁は、そのまま塗料が塗れますし、壁紙も貼ることもできます。また、繊維壁や土壁は、塗り剤で固めてしまえば、塗料を塗ることも壁紙を貼ることもできます。
壁の汚れをとる
壁全体に掃除機をかけ、ホコリを吸い取ります。ヒビ割れ等がある場合は、その部分に霧吹きなどで水分を含ませてから、室内用壁補修剤や壁パテなどで埋め、ヘラで表面を平らにしておきます。
養生をする
スイッチ、コンセントのプレートは、はずしておきます。柱と壁の境目などは、ポリマスカーやマスキングテープを使って養生します。
養生が出来れば、繊維壁や土壁場合は壁全体に和室かべ用下塗り剤を塗って乾かします。
塗装する・壁紙を貼る
下地ができたら塗装や壁紙を貼ることができます。
塗装の場合は、塗料が均一になるように、よくかき混ぜます。コーナーや壁際などの塗りにくい場所からスジカイバケを使って塗っていきます。広い部分はコテバケかローラーバケを使って塗ると便利です。
下地が透けていたり塗リムラがある時は、1回目の塗料が手につかない程度に乾いた後、2回目を塗ります。塗装が仕上がれば、マスキングは塗料が乾く前にはがしておきましょう。