自分でするエアコンクリーニングといえば、ほとんどの方が市販のエアコン洗浄スプレーなどで、エアコンクリーニングを行なうのが一般的です。しかし、その方法ではエアコン全面のアルミで出来たギザギザの箇所(熱交換器)はきれいになったように見えますが、内部に溜まったほこりやカビは、ほとんど取る事ができません。このページで紹介するエアコンクリーニングは、プロが行なっているような高圧洗浄方式のエアコンクリーニングを自分で簡単にする方法です。
エアコンクリーニングの必要性
エアコンの風が臭うようになってきたら、それはエアコンが汚れているサインです。嫌な臭いの原因は、エアコン内部に溜まったカビやほこりで、エアコンの風とともに室内へ送り出されてきます。
エアコンの内部は、ほこりや湿気がたまりやすく、カビが繁殖しやすい環境になっています。汚れたまま使い続けていると、カビやほこりを毎日吸い続けていくことになりますので、あまり気分のいいものではありません。風が臭うようになってきたら、エアコン内部を洗浄して、溜まったカビやほこりを洗い流してあげましょう。
また、エアコンの熱交換器にほこり等が付着すると冷風や暖風を作る効率が悪くなり、余分な電気代がかかってしまいます。
エアコンクリーニングを行うと、室内の空気がキレイになるのはもちろん、電気代の節約も期待できます。
エアコンクリーニングに必要な道具
ネット販売などで、エアコンクリーニングセットというものが売られています。だけど、かなり高価なものなので、セットを購入するならエアコンクリーニングの専門業者に頼んだ方が安くつきそうです。
そこで、エアコンクリーニングセットの代わりになるものを自分で作ってみましょう。ご家庭にあるものを流用できると、かなり安価に自分で作る事ができます。特に、車や外壁の洗浄に使う高圧洗浄機をお持ちのご家庭なら、簡単に自分でエアコンクリーニングができます。自分でエアコンクリーニングに必要な道具を作るには、次のようなものを揃えましょう。
洗浄用の道具
耐圧ホース、水道用ジェットノズルは、洗浄機の代わりに使います。水道水を高圧噴射できれば、洗車やガーデニングで使っているものでも対応可能です。ストレートジェットノズルは威力が強いのでお勧めです。なお、室内で水を使う事になりますので、ホースの継ぎ目などから、漏れないことが条件です。また、ホースの長さは水道栓からエアコンまで届くだけの長さが必要です。
養生用の備品
ポリマスカーとビニールシートでエアコンクリーニングの際、洗浄水が飛び散らないように養生します。ポリマスカーはシート幅が550mmのものが便利です。ビニールシートは2畳分ほどあれば、大丈夫です。
洗浄水の受け
プランター角型65cm程度(底が抜けていないもの)、ホースニップル、洗濯ロープ、Sフック、バケツ、ホース2mなどを使ってエアコンクリーニングの洗浄排水を受け止める道具を作ります。
図のように、エアコンクリーニングの洗浄水がプランターからバケツへ移動するような洗浄水受けを作ります。
プランターの排水穴にホースをつなぎこむことができるように、ホースニップルを取り付けます。ホースニップルがぎりぎり通るようなゴムパッキンを利用します。内側からニップルーゴムパッキン、外側からホースニップルーゴムパッキンをつなぎ、水が漏れないように締め付けます。
市販のエアコンクリーニング用シートでも良いのですが、サイズが合わなかったり破れやすいといったこともあるようですので、面倒ですけれど、自作するほうが安心です。
エアコンクリーニングで使う洗剤
エアコンの汚れの原因は、主にカビとほこりです。エアコンクリーニングで、これらの汚れを洗い流すには、住居用の洗剤が最適です。
カビを殺菌するには、塩素系の漂白剤を使います。
この2種類の洗剤を使い分けてエアコンクリーニングを行います。
ただし、洗剤の成分で苛性ソーダ(水酸化ナトリウム、NaOH)が入っていないものを使用して下さい。苛性ソーダはアルミのフィンを腐食させます。
お風呂用のカビ取り洗剤などには、苛性ソーダが入っているものがありますので、使わないでください。
自分でエアコンクリーニングをする方法
まずは、エアコンのコンセントを抜いて下さい。そして、エアコンの下の床にビニールシートを敷きます。
エアコンのカバーを外します。カバーはエアコンの吹きだし口あたりに、ネジがあります。(ネジはネジカバーで隠れています)
ネジを外し、カバーを下から上に持ち上げるようにして取りはずします。
ポリマスカーを使い、エアコンを養生します。
まず電気の部品がある箇所をポリマスカーで隠します。その次にエアコンの下部分の隙間にいくらかポリマスカーが入るように養生します。
テープを貼る箇所にほこりなどがついていると、テープの接着力が弱くなります。
エアコンの周りをぐるっと一周するように、ポリマスカーで養生します。
作成した洗浄水の受けをエアコンに引掛け、洗浄排水がポリマスカーを伝って受けに入るようにセットします。
ポリマスカーの一番上部分は天井にテープで貼り付けます。
ホースの先には、バケツをセットします。
ここまでの作業は、丁寧に行ってください。万が一、水漏れをしてしまうと、エアコンクリーニングどころでは、なくなってしまいます。
セットが出来ると、いよいよエアコンクリーニングです。住居用の洗剤をエアコン全面のアルミのフィンと風の吹きだし口から中に向かってたっぷりとスプレーします。
10分ぐらい放置した後に洗剤をスプレーした箇所を勢いよく、水洗いします。
ただし、電気部分には、水をかけないで下さい。また、アルミフィンには、垂直に水をかけてください。横から水を当てると、アルミフィンが倒れてしまうことがあります。
洗浄をすると、エアコンから汚れた水が出てきます。きれいになりましたら、次は台所用の塩素系漂白剤を使って殺菌します。
水で10倍に薄めた塩素系漂白剤を洗剤と同じようにスプレーし、5分ぐらい放置してから、たっぷりの水で洗浄します。
その後、カバーを洗ってよく乾燥させ取り付けたら完了です。