換気扇は分解して、つけ置きか洗剤で湿布する方法で汚れを浮かせてから掃除をすると比較的簡単に汚れを取ることができます。油汚れに強い洗剤には、塗料まで落としてしまう強力なものもあるので使用には注意しましょう。あまりひどい汚れになる前に掃除して、汚れ防止をしっかり行っておくと安心です。
換気扇とレンジフードの分解方法
換気扇の掃除を始める前に
安全のため、必ず換気扇のコンセントをはずして、ゴム手袋を使用します。
汚れたところを触るときは手袋に使い捨てのビニール袋を重ねて使うと、ゴム手袋に直接ベタベタ汚れがつかないので、後で、洗ったり組み立て直したりという作業のとき、汚れをつけずに済みます。
また、換気扇の下にあるガスレンジに古新聞などをかけてカバーしておくと、汚れや洗剤がたれてしまった場合も安心です。
服装も、油汚れや洗剤がついても困らないものを着用して、できるだけ換気をよくして掃除をしましょう。
また、換気扇やレンジフードはメーカーや機種によって、ここで紹介するものと分解方法が異なるものもあります。
初めて換気扇やレンジフードを分解するときはよく確かめ、分解の方法がわからない場合はメーカなどに問い合わせてください。
換気扇の分解
プロペラ型換気扇の分解方法
台所用の換気扇には下部に引き出し式の油受けが付いているので、これをまずはずします。
この部分に油がたまり過ぎると、もれることがあるので、定期的に掃除しましょう。
汚れ防止のフィルターがついているものは、最初にそれをはずします。
少し持ち上げるだけで片手で簡単に取りはずせるのものや、側面にネジどめされているものなどがあるので確認してください。
羽根どめをプロペラの回転方向とは逆にしてはずし、(ほとんどのものが右に回せばはずれます)、プロペラを手前に引いて抜きます。
羽根どれめの外側のボタンを押すだけで着脱できるタイプもあります。
パネルを少し持ち上げるようにしてから手前に引いてはずします。はずれどめなどがついているタイプは、先にはずしてください。
浅型レンジフードの分解方法
まずはガードをはずします。
とめているネジをはずす(ネジが固い場合はドライバーを使用する)と取れます。
油受けの手前にあるネジをはずすと油受けが開きます。
油受けの下側を持ち、少し持ち上げるようにしてヒンジからはずせば、本体から取りはずすことができます。
落下しないように手で支えながら羽根どめをターボファンの回転方向とは逆に回して(ほとんどのものが右に回せばはずれます)ターボファンをはずします。
深型レンジフードの分解方法
まず、スロットフィルターを取りはずします。
とってを持って上にスライドさせ手前に引くとはずれます。
フィルターは、2枚重ねになっていたり、さらに小さく分解できたりと、機種によって違うので確かめてください。このとき、フードの照明カバーも一緒にはずします。
電源のコネクターを外します。ツメ部分を押しながら引き抜くと外れます。
レンジフードの前板をはずします。固定金具をスライドさせ、前板を手前に引くとはずれます。
ファンカバーをはずします。ファンカバーを取付けている蝶ねじを3ヶ所暖めてはずします。
シロッコファンを外します。ファンを押さえツマミを「ゆるむ」の方向に回して外したあと、ファンを取り出します。
取り付けるときは、ファンを元まで差し込みツマミを締めつけます。
壁つきレンジフードの場合、プロペラやパネルのはずし方はプロペラ型の分解方法とほぼ同じです。ファンの形状はメーカーや機種によって違うので、確認してから行ってください。
分解した部品を掃除する方法
分解した部品を掃除する方法には、洗剤を湿布する方法とつけ置き洗いの方法があります。どちらの場合も、まずは割りばしの先などで固形化している汚れをこそぎ取っておくと後の掃除が楽になります。
また、部品をとめていたネジ類は、水で薄めた洗剤を入れた空ビンや小さなビニール袋などに入れておくと汚れが浮き、歯ブラシなどでこするときれいになります。紛失する心配もないので、一石二鳥です。
洗剤を使う時の注意点
ガンコな油汚れが落ちる洗剤は塗料をもはがしてしまいます。塗装されている面やアルミ材質の部分に溶剤入りや強アルカリ性の洗剤を使ったり、長く浸けておいたりすると塗装がはがずれたり、変色してしまうことがあるので注意しましょう。
そういった部分には、台所用洗剤を使うようにするか、弱アルカリ性の洗剤を目立たないところで試してから、できるだけ短時間で洗い落とすようにしてください。
洗剤を湿布する方法
汚れている面を上にして、軽い汚れなら台所用洗剤を、汚れがひどい場合はスプレ一式の油汚れ用洗剤を直接スプレーしたあと、ペーパータオルかティッシュペーパを貼り付けその上から再度洗剤をスプレーします。
※しっかり泡状にスプレーできるエアゾールタイプの油汚れ用洗剤なら湿布する必要はありません。
5~10分そのままおいた後、貼りつけたペーパーや使い捨ての布で汚れを拭くように拭き取ります。
汚れの固まりが隅などに残った場合は、割りばしの先でこそぎ落とします。最後に水洗いして仕上げます。
つけ置き洗いの方法
ダンボール箱やシンク、タライなどに、汚れ防止のため、ゴミ袋など大きめのポリ袋をセットし、洗剤を40度くらいのお湯に溶かします。
洗剤は、軽い汚れには台所用洗剤を、頑固な汚れには酸素系のつけ置き用洗剤を使います。汚れがひどい面を下向きにして部品をつけます。
30分~1 時間ほどつけ、油汚れが浮き上がったら、つけ置いた洗剤液をスポンジにつけながら汚れをこすります。
羽根の間の部分は歯ブラシなどを使って洗います。きれいになったら洗剤液を捨てて、水洗いをします。
外すことができない部分の掃除方法
換気扇のモータ一本体は水気厳禁というものが多いので、洗剤や水がついたスポンジなどが触れないように注意して、乾いた布でから拭きします。
それ以外の部分はスポンジか雑巾に洗剤を含ませたもので汚れを拭き取るようにしてください。汚れがひどい場合は、洗剤を湿布するようにします。
モーターの周辺の掃除方法
縦の面に湿布するときはペーパーだとはがれやすいので洗剤をスプレーした後、ラップを貼りつけるようにすると効果的です。
細かい部分は割りばしに布を巻きつけ輪ゴムでとめたものに洗剤をつけてこすり取ります。
汚れが落ちたら濡れ雑巾で何度か拭いて洗剤分を完全に取り除いてください。
レンジフードの掃除方法
フード部分は塗装やフッ素コート加工されている場合が多いので、使う洗剤に特に注意が必要です。
中性洗剤に浸した布で汚れをふきとったあと、洗剤が残らないよう、水を湿らせた布で洗剤をよくふき取ってください。
汚れ防止の便利グッズ
せっかく掃除した換気扇ですから、できるだけ長くきれいに保ちたいものです。いろいろな換気扇汚れ防止用品が発売されていますから、大いに活用しましよう。
換気扇・レンジフード用汚れ防止フィルターカバー
ポリエステル不織布の特殊フィルターで油汚れ、ホコリ等をキャッチするので、換気扇本体の汚れが少なくなり、掃除がたいへん楽になります。使い捨てタイプとフィルターぺーパーを交換することによって長く使えるものがあります。
レンジフードに合わせて大きさを変えられる伸縮タイプや、磁石やマジックテープで取りつけ、交換が簡単にできるものなど各種あるので、サイズや取りつけ方などをよく確認して選んでください。
換気扇パック
ノリ状の製品を付属のハケでプロペラなどに塗ると30分ほどで乾燥して、透明フィルムになり、汚れをカバーします。
フィルムが汚れたらはがして塗り直します。きれいにはがすコツは、塗る前に羽根の裏側などにテープを貼ってはがすときの案内を作っておくことと、多めにムラなく塗ることです。
長期間、そのままにしておくと効果が低下するうえ、はがしにくくなるので、3ヵ月を目安にはがして塗り直してください。