壁に棚やフックなどを取り付けるには、重量に耐えれるように取りつかなければなりません。そのためには、壁の材質や構造を考えて、フックやビスを選びましょう。このページでは、自分で壁に棚やフックを取り付ける方法について紹介しています。
石膏ボードや合板張りの壁
石膏ボードや合板張りの壁は、コンコンと軽く叩いててみましょう。空洞のような音が響くところと、短く詰まった音のところがある場合は、ほとんど下地は合板か石膏ボードです。壁の表面は壁紙か化粧合板の壁になっていることが多いです。マンションなどでも、コンコンと軽く叩いて空洞のような音が響くところと、短く詰まった音のところがある場合は、下地は石膏ボードか合板です。
下地の桟を探してネジ止めする
石膏ボードや合板張りの壁の下地には、縦に間柱、横に胴縁と呼ばれる桟が入っています。壁にネジ込みフックを取り付けて、何かものを吊したり、手すりを取り付けたりするには、この桟を探してねじ込むのが、一番しっかりと取り付けることが出来ます。
桟の探し方は、壁をたたいてみるとわかりますが、わかりにくいときは、壁に押しつけると針が出て、桟があるか、空洞かを手応えでわかる下地探知の道具を使うと便利です。また、センサーで探すタイプのもあります。
間柱は45cm間隔に、胴縁は30~45cm間隔にあり、どちらかが壁に接しているので、目安に探してください。
ただし、家によっては構造が違う場合もあり、またコンクリート住宅の場合は、団子状の接着剤で壁を固定してしまう工法もあって、桟がない場合もあります。
壁の空洞部分に取り付ける
間柱や胴縁などの下地に桟がある以外の壁は、中が空洞(中空構造)です。額や時計などを吊るためのフックを取り付けたい、タオル掛けを取り付けたいというとき、その位置がちょうど空洞ということがよくあります。そんなときでも、空洞部分に取りつけられる方法がいろいろとあります。
ピンが斜めに入るXフック
空洞部分に額を吊るための金具がXフックです。これはピンが斜めに差し込まれるので、下にかかるカに、強くできています。ピンが1本、2本、3本のものがあるので、額の重さに合わせて選んでください。また、簡単に取りつけられるフックが欲しいときは、ピンが斜めについているフックもあります。両方ともピンを抜けば小さい穴が残るだけで、簡単に取り外すことができます。
ピンでガッチリ止める石膏クギ
フックに石膏クギの本体を当て、クギを差し込み、最後にキャップをかぶせます。
石膏クギは、本体に斜めに穴があいていて、細いクギをその穴に差し込むだけで、石膏ボードや合板にガッチリ止めるものです。また同じシステムで、取りつけピースを同様にクギで止め、それにかぶせて使うフックやタオル掛けもあって大変便利です。クギを差し込むときは、石膏ボードなら、平面のある金具で押し込むことができ、合板なら、金づちでたたき込みます。
フックやタオル掛け
取り付けピースを壁に当て、ピースの穴にクギを差し込みます。フック本体をかぶせてスライドさせれば出来上がりで、タオル掛けも同じ方法で取り付けることが出来ます。
ソリッドアンカー
下穴をあけ、アンカーの中央部を折り曲げて下穴に差し込み、急結剤を注入して木ネジ止めするというものです。ネジ径により3タイプありますが、小さいタイプは細い木ネジも使え、しかも下穴は3~3. 5mm なので千枚通しで穴をあければよく、また木ネジを一度ネジ込み、外して下穴にすることもできます。壁厚に関係なく使え、アンカーの周囲を急結剤で固めるので、強度もあります。
モノマックス
ドリルで、8mmの下穴をあけ、木ネジごとアンカーを下穴に押し込みます。羽根が壁の向こう側で引っかかったのを確かめ、ネジをいったんはずしてフックなどをネジ止めするというものです。木ネジの長さを変えれば、1つのサイスcで、5~26mmの壁厚に使え、使うネジ径は4mmです。壁の内側の空間が狭いとき(コンクリートの住宅で下地に桟がない工法)にも使えます。
トクラー
ドリルで8mmの下穴をあけ、羽根を閉じた状態で下穴に押し込みます。付属の赤いピンを差し込むと中で羽根が開いて固定するので、木ネジをネジ込みます。これは壁厚によって4タイプあるので、スイッチプレートなどをはずして、壁厚を確認して選んでください。
コンクリート、タイルの壁
コンクリート壁
コンクリート住宅で、壁をたたくと明らかにコンクリートの音がする場合があります。仕上げはプラスター(白い塗り壁)、塗装、壁紙がほとんどです。このようなコンクリート壁の場合は、ドリルで下穴をあけ、コンクリートプラグをたたき込みます。それに木ネジ、やヒートンなどのネジ式フックをネジ込みます。なおコンクリートプラグには、使う木ネジのサイズと下穴の径が表示してあるので、使う木ネジを持っていって買い求めるとよいでしょう。
コンクリートに穴をあける際は、電気ドリルにコンクリート用の刃をつけて、低速回転にしてあけますが、振動ドリルを使う方が楽にあきます。下穴の深さはプラグより3mmぐらい深くあけますが、穴あけの深さのところにビニールテープなどを巻いて目安にするとよいでしょう。
タイル壁
穴あけ
タイル壁もコンクリート壁と同じですが、下穴をあけるときは、電気ドリルにガラス用、タイル用の刃を使い、低速回転で、ゆっくりとあけてください。なお、タイルの場合は、穴をあけ始めのとき、刃の先がすべりやすいので、セロテープを貼っておくとよいでしょう。
粘着フック
タイルの壁やユニットバスなどに、粘着タイプのフックやタオル掛けなどを取り付ける場合は、透明の専用防水シールを貼った上に粘着タイプのフックなどを貼りましょう。水滴が掛かっても剥がれず、剥がしたいときは、シールごときれにに取れます。