鉄製の門扉やフェンスは材質の性質上、サビに弱いという大きな弱点をもっています。塗装のハガレはサビを呼び、サビが塗装のハガレを広げてしだいに下地そのものを浸食していきます。これを防ぐためにも、晴れた日を選んでペンキを塗り替えてください。
塗装をする前に
塗装の前に、サビの有無を確認しておかなければなりません。これによって作業の手
順が大幅に変わってくるからです。サビの出ていないものは軽くサンディングしてから直接1回目の塗装ができます。サビの出ている場合は、サビを落とし、サビどめ塗装をしてから塗装をするようにしましょう。
服装について
服装は、汚れてもよいものを。軍手、帽子も忘れないでください。
塗料について
油性鉄部用(うすめ液:ぺイントうすめ液)が一般的です。日光や雨に強く耐候性にもすぐれています。乾く時間は天候、メーカーなどにもよりますが、約3~5時間くらいと考えてください。
手軽に塗れて、乾燥も速い水性塗料を塗る場合は、水性多用途塗料か水性建物用を使います。なおサビどめ塗料にも、油性と水性があります。
色を選ぶ
好みの色ということになりますが、一応の目安としては、住まいの外装が暗い感じならば明るいものを、逆に明るい感じならば暗いものが住まいのイメージを引き立てます。
門扉の塗り替えの手順(油性鉄部用塗料使用の場合)
塗装前の準備
門扉を全体に見まわり、ほこりや汚れはきれいに洗い落としておきます。その後充分乾燥させます。
目立つ所から始める
サビた部分が膨れ上っていたり、水がたまって大きく変形している部分はワイヤーブラシでこすり落とします。それでも落ちにくい場合は皮スキを用います。サビは、鉄の地肌がでるまでよくこすります。
残りの部分をはがす
その他に見られる塗装の小さなはがれやサビなどをワイヤーブラシで落とします。最後に全体をブラッシングします。
表面を磨く
サビなどの変形やはがれを落とした後は、塗料のつきをよくするためにサンドベーパーー(80番)にアテゴムをするか、布ヤスリを木片などにつけて、全体をていねいに磨きます。
マスキング
塗る前に塗料がつくと困る門柱などにマスキングテープやポリシート、マスキングロールペーバー(なければ新聞紙)などで覆いをしておきます。マスキングをしておけば塗装の能率も上がります。
塗料を調整
塗料は使用前によく振るか混ぜておきます。塗料の伸びが悪い場合はうすめ液でうすめておきます。(水性塗料の場合は水でうすめます。)
サビの防止
表面を磨き、サビを落としたら、サビ止め塗料をハケで塗ります。スプレー式のサビ止め塗料なら、手軽にできます。
塗料を塗る
サビ止め塗料を充分に乾かした後、油性鉄部用塗料をうすめ液で5~10%うすめ、油性用ハケで塗ります。塗る時は上から下ヘと塗っていきます。
塗りにくい部分から始める
鉄格子の間隔が狭い所、入りくんだ所にマスキングの境目など塗りにくい部分からスジカイバケを使って塗っていきます。すきま用ハケも塗りにくい部分に便利です。
鉄格子を塗る時のコツ
鉄格子の狭いすき間を塗る時は、すきま用ハケを上下に塗りながら隣の鉄格子の片面も同時に上から下へと塗っていきます。ハケで塗りにくい場合はぺイントミッターを使うと手のひら面が塗装用になっているので作業が楽に行えます。
裏もていねいに塗る
鉄格子の下の裏にあたる部分もていねいに塗つておきます。すき間用ハケを使って左右に塗ります。すさ間用のハケは逆さまにしても塗料がたれないので安心です。
塗り終わったら
塗り終わってから乾燥するまで油性鉄部用のベンキで夏は約4時間、冬は約8時間かかります。塗りかえが誰にでもわかるように「ベンキぬりたて」の表示をしておきましょう。
アルミの門扉やフェンス
門扉・フェンスの材質は、アルミが多く使われています。アルミは半永久的というものですが、白サビが出て腐食してきます。白サビが出たら、耐水ペーパー(#280~ 320)でサンディングしてから、ラッカースプレー(透明)を吹きつけておいてください。
アルミ面の塗装
雨戸や戸袋、シャッター、手すり、門扉、フェンス、カーボートなどのアルミ建材の塗り替えやカラーアルミ、アルミ形材、アルミ鋳物などのエクステリア部材や鉄部などにも使用できます。色も揃っているので、お好みの色が選べます。
塗装するときは、塗装面をよく洗って、自カビが発生していたら耐水ペーパー(#280~ 320)でサンディングしてから鉄部と同じ要領で塗ります。
なお、アルミ用の塗料には、ハケ塗りタイプのほか、スプレータイプもあります。また、スプレーすれば水性、油性、ラッカーにこだわらず、用途に合わせた塗料で塗装することができる非鉄金属用の下塗り剤もあります。
塗料がついたら困る箇所は、あらかじめマスキングしておきましょう。広い平らな面は、細かな箇所をスジカイバケで塗ってから、ローラーバケかコテバケで塗るとよいでしょう。
また、雨戸などはずせるものは、はずしてから塗ったほうが楽にきれいに仕上がります。