このページでは襖(ふすま)紙を自分で張り替える方法を紹介しています。汚れてしまった襖紙は、見た目にも悪く、部屋を暗い印象にしてしまいます。又、部屋をちょっとだけイメージチェンジしようとリフォームを考えた際、一番手軽にDIYリフォーム出来るのが、襖紙の張り替えです。襖紙の絵柄を変えるだけで、雰囲気ががらっと変わりますよ。
襖(ふすま)の種類
襖にはいろいろな種類があります。張り替える前に、まず、襖の種類をチェックしましよう
本襖(折れ含いクギ式)
左右の枠が折れ合いクギで止めてあるもので、スライドさせてはずします。上下の枠はクギで止めてあります。
左右の枠が木ネジで止めているものもあります。
本襖(打ち釘)
上下左右の枠ともにクギで止めてあります。枠に釘の頭が出ているのが見えます。
板襖
枠ごと一枚ものの板で出来ているので外すことができません。洋間と和室の間仕切りに使われています。
襖(ふすま)紙の張り替え方法
襖紙の種類はいくつかあります。襖紙の種類によって、張り替え方は変わってきます。
- のりをつけて貼る襖紙
のりを刷毛で塗って張り替えするタイプです。のりが乾くまで時間がかかり、しわやたるみができないようにするためにはコツがいるので、張り替えの難易度は高いでが、張り替えに慣れればもっともきれいに仕上げることができます。
- 水溶きのりが付いている襖紙
襖紙にあらかじめのりが塗られていて、水でのりを戻して張り替えするタイプです。
- アイロンで貼る襖紙
襖紙の裏面に熱で溶ける粘着性ののりが付いていて、アイロンの熱を使って張り替えを行うタイプです。
張り替えの難易度も高くなく、DIY初心者でも、比較的きれいに張り替えることができます。
- 粘着剤が付いていている襖紙
襖紙の裏面に両面テープが付いており、剥離紙を剥がして張り替えるタイプです。手軽に張り替えができ、DIY初心者におすすめですが、しわやたるみができやすいので、2人で襖紙を引っ張りながら張替えを行うのがいいです。
襖(ふすま)を補修する
破れているところは補修をします。襖の表部分に飛び出している破れた部分を元通りにのりで貼り付けます。
凸凹がなくなったら、茶チリ紙を破れた部分よりひとまわり大きく切り、周囲5mmほどにのりをつけて貼り付けます。
骨が見えているような破れは、凹凸がなくなるように破れたところを切り取り、
穴補修用の紙を補修箇所より少し大き目に切って、霧吹きをしておきます。
骨と穴の周囲にのりをつけ、穴補修用の紙を張り付けます。乾いたら、茶チリ紙を補修した部分よりひとまわり大きく切り、周囲5mmほどにのりをつけて貼り付けます。
骨が折れている部分で、元に戻せるところは、ゼリー状の瞬間接着剤でつけてしまいます。
折れて骨がなくなっているところは、割り箸や細工材を残っている骨に添わせ、ゼリー状の瞬間接着剤でつけてから糸を巻いてしっかり結びます。
骨の補強材は、襖の厚さより出っ張らないようにすれば大丈夫です。
骨の修理ができたら、大きい穴と同じ要領で、大穴補修紙を張り、茶チリを張っておきます。
アイロンで貼る襖紙をDIYで張り替える方法
襖の引手を外す
襖の引き手は上下のクギのどちらか1本を抜き、引き手を引っ張れば外れます。クギを抜くときは、引手クギ抜きという道具が便利です。
クギがつかめなくて抜けない場合は、枠はがしを引き手のクギの部分に差し込み、カナヅチの柄などを当てて少しこじ起こします。そのあと引き手を元に戻すとクギの頭が出るので、引手クギ抜きでつかむことができます。
襖紙を貼り付ける
襖紙を襖の上に広げ、下の部分を枠に合わせます。スチームアイロンを高温にし、下から順に、中央から左、右へと全体にアイロンをかけていきます。
熱でのりが溶けるのでアイロンはゆっくり動かしてください。枠の部分は初めにきめ込みを入れておき、その近くまでアイロンをかけるようにします。最後に周囲をかけるので多少残っていてもかまいません。
余分な紙を切る
襖の枠にカッティング定規を当て、余分な紙をカッターで切ります。このとき、枠がはずれる本ぶすまはカッターの先を下に向けますが、板ぶすまのときはカッターの刃を枠に向けて切ってください。
周囲にアイロンを当てる
枠の内側の周囲にもう一度アイロンをかけます。このとき、枠の塗装が熱で変色することがあるので、先にマスキングテープを貼っておくようにします。アイロンは、先の丸みを使って、ていねいにかけるのがコツです。
襖の引手を取り付ける
襖の引手部分を手でさわり、カッターで切り込みを入れ、引き手をつけます。
上下にクギを打つとき、最後にクギ締めを使うと、きれいに打ち込めます。
水溶きのりが付いている襖紙をDIYで張り替える方法
襖や枠にしるしを付ける
ふすまをはずす前にふすまに番号を鉛筆で書き込んでおきます。
次に枠をはずす前に、上下左右の枠にそれぞれマスキングテープを貼り、ふすま番号と、上、下、左、右を書き込みます。
左右の枠を外す
左右の枠は、折れ合いクギか木ネジで止めてあるので、当て木をして、上から下にたたくとはずれます。動かない場合は、下からたたくとはずれることもあ|ります。クギ打ち式は上下の枠をはずず要領で。
上下の枠を外す
上下の枠はクギ打ちなので、傷をつけないように、枠とふすまの間に枠はがしを差し込み、こじ起こしてはずします。はずしにくいときは、枠はがしを差し込み、クギの近くをカナヅチでたたくとよいでしょう。
襖紙を切る
襖紙の板をふすまに合わせて、四方を1cmぐらい大きめにとつて裁断します。
襖紙に水をつける
ふすま紙の下にビニールシートなどを敷き、裁断した襖紙をおきます。ふすま紙のウラ側に水ぬり用スポンジで、たつぶりと水をつけます。
水をつけたら2~3分、紙が伸びるのを待ちます。待っている間に水が乾くようなら、その部分に水を塗ってください。
襖紙を張る
のり面を上にした襖の上に、襖を静かにのせます。
襖は2人で持ち、まず1人が襖の下側を、紙の端から1cmのところに、曲がらないように置きます。その間、もう1人はふすま
を持ち上げていて、位置合わせが終わったら、ずれないようにそっと下ろしていきます。
そして、襖紙が上になるように2人で襖をひっくり返します
襖紙の空気を追い出す
なでバケで空気を追い出します。中央から外に向かって追い出すのがこつです。
襖紙がでこぼこした状態に見えますが、紙が伸びているせいなので乾けば張りが出ます。
筋が入ったようなしわで出来ないように注意して下さい。あきらかにしわができたら、角からその部分まではがして、張り直します。
角に切り込みを入れる
はみ出した襖紙は折り曲げて、襖の側面にしつかりと貼りつけます。
角の部分はハサミで切り込みを入れるときれいに貼ることができます。余分な部分はカッターで切り落とします。
引手の穴をあける
引手の穴は、乾くと位置がわからなくなるので、手でなぞって位置をみつけ、カッターで切り込みを入れておきます。
また最初に書いたふすまの番号を、この部分に書き入れておくとよいでしょう。
襖を組み立てる
ふすま紙が乾燥すれば、上下の枠を、クギを打って取りつけます。
次に左右の枠ですが、折れ合いクギの場合は、必ず向きや曲がり具合を揃えておいてください。はめ込むときは、折れ合いクギや木ネジと、枠の穴とを合わせてかぶせ、出ている下側をたたいてはめ込みます。クギ打ち式の場合はクギを打って取りつけます。
最後に引手をつけます。