塗膜がはがれかかっていたり、ひび割れが目につく外壁はマイホームのイメージを落としてしまうことになります。また、外壁の防水性が低下したり、ジメジメした環境下にあったりすると住まいの寿命にも影響してきます。外壁を常にキレイな状態にしておき、早目に塗装をすることが大事です。
下地の調整
外壁の洗浄
塗る面の汚れを取ります。 はがれかかっている古い塗料は、皮スキやワイヤーブラシでよく落とします。
そして、外壁の洗浄を行います。デッキブラシ、ホウキなどで壁画の汚れやホコリをよく落としながら、水洗いをします。高圧洗浄機があれば、作業が楽になります。
なお、乾燥に1日以上は必要です。
下地の処理
モルタル壁の場合
コンクリートのひび割れ、へこみ、穴などはひび割れの幅や深さ、へこみの大小、穴の深さ、大きさに適した補修を行います。この作業を行わないと劣化の原因につながります。
ひび割れの大きさが1mm以下の小さなひび割れは、浸透性の防水剤を使います。スプレータイプが補修しやすいです。液体がモルタル内部にしみ込んで防水層を作ってくれます。
ひび割れとその周囲に濡れるぐらいに吹きつけて乾かします。ひび割れが広範囲にわたる場合は、液体タイプを使ってハケで塗ることもできます。
なお、塗装に水性外壁用弾性塗料を使う場合は、防水剤は使用せずに、直接弾性塗料を塗ってください。
ひび割れが1mm以上の大きなひび割れは、ドライバーの先などでひび割れ部分をかき出すようにさらってから、充填剤を使います。充填剤をひび割れに塗ったらヘラなどで伸ばし、乾燥させます。
アクリル系の充填剤は、水性なので、使いやすいのが特徴です。充填して1日たってから塗装します。
変成シリコン系の充填剤は、耐候性にすぐれているのが特徴です。塗装は充填後3~4時間たってから、3日以内に塗ってください。
樹脂セメント系の充填水どめ剤は、湿っていても充填できるのが特徴ですが、塗装は2日たってから行いましょう。
充填剤では処理できない大きなひび割れやはがれは、モルタルで補修します。セメント防水剤を混入すると、いっそう防水効果が高まります。塗装は、セメントが完全に乾いた数日後に行ってください。
ブロック壁の場合
欠けたりひび割れた目地材をタガネでたたいて取り除きます。
そのあとに水を打ち、かために練ったモルタルを奥の方に塗りこんでください。
奥に塗りこんだモルタルが、乾燥するまで待ってから、目地ゴテでやわらかめのモルタルを仕上げ塗りします。
ブロックが破損している箇所は、破損部に小石をつめてから水を打ち、かために練ったモルタルを塗りこめます。
外壁の塗装
マスキングをする
窓枠、桟、ひさしなど塗料がついては困る所は、新聞紙やマスキングテープなどで、覆ってください。
また地面など足もとの養生も忘れないようにしましょう。
下塗り用シーラーを塗る
表面が風化しているときや、塗膜をさわると白い粉がべったりつくような時は、下塗り用シーラーを塗っておきます。
塗料を用意する
塗料はフタを開ける前に容器を逆さにしてよく振って混ぜます。
フタを開けたら棒などで底までかき混ぜて塗料を均一にします。塗りにくい時は水(5%以内)を入れてください。
塗料の塗り始め
ローラーバケでは塗れないコーナーや細部、といの裏など塗りにくいところは前もってすじかいバケやミニコテバケを使ってていねいに塗ります。
広い面を塗る
広い面はローラーバケやコテバケを使って塗ります。
ローラーを壁面につけて「Vの字」に塗り進めていきます。厚さが均一になるように塗膜をつけていきます。
このとき、ローラーを速く動かすと塗料がハネますから、ゆっくりと押えるように転がしてください。
水性外壁・ブロック用塗料、水性つやあり塗料、多用途塗料を使うときは、普通のローラーバケを使って、塗っていきます。
水性外壁用弾性塗料を使う場合は、網目状のマスチックローラーを使いますが、この場合は高粘度なので、左手もそえてローラーを押しつけながらゆっくりと塗ってください。
外壁などの高い所は、ローラーバケに「つぎ柄」をつけて塗ると脚立などを使わずに楽に塗れます。
また電池式ポンプ送り出しローラーを使うとさらに便利です。タンクからローラーヘ塗料をどんどん送り出すので、いちいち塗料をつけなおす必要がありません。つぎ柄もつけられ、専用のスジカイバケもあります。
- 水性外壁・ブロック用塗料
普通仕上げの塗料で、外壁に合う淡い色が揃っていて、つや消し仕上げです。
- 水性つやあり塗料
カラフルな色が揃っている、つやあり塗料です。
- 水性多用途塗料
カラフルな色が揃っている半つや仕上げの塗料です。
- 水性外壁周弾性塗料
高粘度の塗料で、マスチックローラーを使うと、凹凸のある壁面に仕上がります。つやあり、つや消しがあります。
仕上げ
塗装乾燥後も再度、色むらや塗りのこしないかチェックしましょう。塗り残しがある場合は更に塗り重ねても大丈夫です。
塗り終わって塗料が手につかなくなるまで乾燥したらマスキングテープをはがします。