トタンは、薄い鋼板に亜鉛でメッキをした建材です。一般的に用いられているトタンは波板に加工されています。トタン屋根の塗膜がはがれていたりサビが出ていては、見た目にもよくないばかりか、その部分から雨水が浸みこんで住まいの寿命を大幅に縮めてしまいます。また、放っておくとサビが屋根全体に広がって大がかりな葺き替えをしなければなりません。できるだけ早い段階で、塗装などのメンテナンスを行って、サビの拡大を防ぎましょう。
トタン用塗料の選び方
屋根は、建物の中でもっとも過酷な環境です。毎日、直射日光や雨風にさらされ、埃も付きやすいところです。トタン屋根は、塗装によって防水とサビ止めを行っています。そのため、塗料を選ぶときは耐久性の高さだけでなく、防錆効果に優れた製品を選ぶことが肝心です。
ホームセンター等に売られているトタン屋根用塗料は、ほとんどの製品が耐久性と防錆性を重視していますので、割と簡単に塗料を入手することができます。
また、トタン屋根用塗料に遮熱塗料という製品もあります。夏場は、トタン屋根の表面温度は70℃ぐらいまでに温度があがります。遮熱塗料を塗ると、その表面温度は5~15℃低くなるといわれています。予算的に余裕があればおすすめです。
油性塗料(ペイントうすめ液)
ハケさばきがよいので塗りやすく、経済的なのも魅力的です。乾燥には5~8 時間かかります。基本的には1回塗りで仕上がります。
合成樹脂調合ペイント(ペイントうすめ液)
耐候性にすぐれていて、乾燥も約2時間と早く、ツヤが長持ちします。基本的には1回塗りでで仕上がります。
水性ペイント(水)
乾燥時聞は1~2 時間と早く、作業性は一番良いです。また、耐候性にもすぐれています。ただし、水性の場合は、ホコリなどが残っているとはがれの原因になりやすいので、下地調整はしっかりとしましょう。水性ペイントは、2回塗りを基本にしてください。
また、はじめて塗る場合や、前に油性やアクリル樹脂系の塗料で塗ったトタン屋根の場合、まだツヤの残っている部分は、サンドペーパー(#150~180)をザーッとかけておくとよいでしょう。
下地の調整
トタン屋根を塗るときは、下地の調整は非常に大切です。下地調整は面倒がらずに丁寧に行わないと、雨漏りの原因となる場合があります。
塗膜やサビを落とす
塗る面のゴミやサビ、はがれかかった古い塗膜などはスクレーパーやワイヤーブラシ、サンドペーパーなどを使ってとっておきます。
落としたカスと屋根のほこりは手ぼうきなどで、はき落としてください。
また、塗装面が充分乾燥していることを確認しておいてください。
トタン屋根用塗料はサビどめ効果がありますが、サビを落としたところや、塗膜をはがしたところなどは、トタン専用さびどめで、ひろい塗りをしておくと安心です。
クギの抜け落ちを補修
継ぎ目がはずれていたり、かわら棒の側面のクギがゆるんでいると、雨もりの原因になります。
クギは少し位置を変え、ステンレススクリュークギを打ちつけます。
穴やすき間の補修
トタンの穴やすき間の補修にはトタン屋根補修テープを使用すれば便利です。すき間の大小に関わらず簡単に補修ができます。
トタン屋根補修テープを貼れないところの補修は変成コーキング材(塗装可能なもの)で埋めてください。
変成コーキング材で埋めたときは、1週間たってから塗装を行ってください。
トタン屋根の塗装
トタン屋根の塗り替えをするときは、終わる時間を考えて塗り始めましょう。夕方までに塗り終わればいいと考えるのは危険です。乾く前に夜露がかかると、ツヤがなくなったりします。トタン塗料の種類によって乾燥時聞が違うので、乾燥時間から逆算して塗り終わるようにします。
養生をする
塗装箇所の周囲を養生します。塗料がついては困る所は、新聞紙やマスキングテープなどで、覆ってください。また、塗料がこぼれたりして汚れてしまうのを防ぐためにも、ビニールシートなどで保護しておきます。
ひろい塗りをする
サビやはがれのひどいところは、あらかじめひろい塗りしておきます。
塗りにくいところから
切妻、軒先をスジカイバケで塗ります。かわら棒と棟の部分をスジカイバケで塗ります。
広い面を塗る
広い面はローラーを使って塗ります。かわら棒の間を1つの単位を考えて、軒先から棟に向かって塗ります。
ローラーハケをコロコロと転がすように動かして塗っていきましょう。つぎ柄をつけて塗ると足腰が楽です。
ハシゴをかけた所を塗る
最後にハシゴをかけたかわら棒の間を上から下へ塗ります。
仕上げにハシゴに足をかけて残った部分を塗ります。
水性塗料の場合は、1回塗ったら乾燥させてもう1度塗ります。
2回塗りはトタンを長持ち(1回塗りだけの場合より3~4倍)させる方法です。