【初心者も簡単DIY】上手なペンキの塗り方

住まいの修理

ペンキ塗りをするとき、基本的なことを知らないために思わぬ失敗をしたりきれいに仕上がらなかったりすることがあります。また作業の能率が悪くなることもあります。そこで、ちょっとコツを知っていれば作業がスムーズできるというペンキ塗りのポイントを集めてみました。

ペンキ塗装はなぜ必要なのでしょう?

ペンキ塗装の一番の目的は、ものを保護することです。ペンキを塗ることで、塗装皮膜をつくり、雨風や日光、さびやカビなどから物を守ります。つまり、ペンキ塗装がきちんとされていなければ腐食や風化の原因となります。又、ペンキ塗装はきれいに仕上げるといった目的もあります。好みの色を塗り、自分流のコーディネートを楽しむことができます。

簡単に塗れるの?

ペンキ塗り自体はそれほど難しいものではありませんが、ある程度のペンキや道具の知識や塗り方などを知らないと、思わぬ失敗をしてしまうことがあります。又、高所での作業の場合は危険も伴いますので、十分な注意が必要です。

どのくらいの周期で塗り替えが必要か?

塗る場所や・物・元のペンキの素材にもよりけりですが、条件の良い場所で10~15年・条件の悪い場所では5~10年が目安です。

ペンキ選びの基礎知識

ペンキには用途によって数々の種類分けがありますが、どのペンキを選べばいいのか中々分かりにくいものです。ペンキ選びについて、詳しく説明します。

ペンキの成分について

ペンキの成分は、色を決める「顔料」、塗装皮膜をつくる「合成樹脂」、防腐剤や防止剤などの「添加物」とそれらを溶かし液体にするための「溶剤」から出来ています。この「溶剤」が乾くと蒸発し、「顔料」や「合成樹脂」で塗装皮膜をつくります。ペンキは「合成樹脂」と「添加物」の成分により、塗装する場所が決められます。また「溶剤」の種類によってペンキの性質が決められます。

ペンキの性質について

ペンキの性質は「顔料」などを溶かしている「溶剤」によって決まります。溶剤として使われる物は、「水」、「ペイントシンナー」、「ラッカーシンナー」などがあります。溶剤が「水」のものは水性ペンキ、「ペイントシンナー」のものは油性ペンキ、「ラッカーシンナー」のものはラッカーペンキと呼ばれます。ペンキを溶いたり、はけを洗ったりするには、この「溶剤」に対応した液体を使用しなければなりません。

水性塗料の特徴

ベースが水のため作業性に優れています。臭いがそれほどきつくありません。乾燥時問も比較的早く30分から1時問ぐらいで乾燥します。

水性塗料を浴室や屋外など、水がかかるところに塗るのが不安だという人がいますが、大丈夫です。水性塗料は濡れているうちは水に溶けますが、いったん乾いてしまうと、油性塗料に負けないしっかりした塗膜をつくるので、安心して塗ってください。

油性塗料の特徴

ベースが専用のシンナーです。独特の刺激臭がありますので、室内で使うのは極力さけましょう。乾燥には数時間かかり、作業性はよくありませんが、刷け塗りでの仕上がりが美しく耐久性にも優れているので主に室外の鉄部分や木部分に使います。

ラッカー塗料の特徴

ベースが揮発性の高いシンナーで、人体・環境にもよくありません。取扱いには十分な注意が必要です。乾燥が速く、作業性は良いのですが、刷け塗りするのは、難しいです。

ペンキ塗装のポイント

ペンキは使う前によく混ぜる

ペンキは使う前によく混ぜる

ペンキはよく混ぜないで塗ると、ムラになったり、色が変わることがあります。割りばしや混ぜ棒などで、缶の底からよく混ぜてから使い始めます。

1度に厚く塗らない

ペンキは1度に厚く塗ると、中が乾かず、シワやヒビ割れができたりします。うすく塗り、乾いて(指で押して指紋がつかない状態)からもう1回と、2~ 3回重ねて塗った方がきれいに仕上がります。ただし、缶に1回塗りと表示してあるペンキは、厚塗りできるようにつくられ、1回厚めに塗れば仕上がるようになっています。

マスキングをしっかりと

マスキングをしっかりと

ペンキがついたら困るところは、あらかじめマスキングテープや新聞紙、ビニールなどでカバーをしておきます。マスキングをしてあれば、気にせずのびのびと塗ることができます。

雨の日、寒い日には塗らない

雨の日など湿度が高すぎるときにペンキを塗ると、塗膜が自く濁ったり、なかなか乾かないなどの失敗の原因になります。また冬など温度が低いときもよくありません。特に水性塗料は5℃ 以下で塗ると簡単にはがれてしまいます。できるだけ晴れた日を選んで塗装しましょう。

ペンキに適したうすめ液を使う

うすめ液は、ペンキが濃いときに薄めるためと、塗装用具を洗うときや、手や衣服についたペンキを拭き取るのに使います。水性塗料は水、油性塗料はペイントうすめ液、ラッカースプレーなどはラッカーうすめ液を使います。塗料の缶に表示してあるので、間違えないようにしましょう。

色を鮮やかに仕上げるには

きれいな色を鮮やかに仕上げたいときは、まず、1回、白を塗っておくのがコツです。白が乾いてから、日的の色を塗ります。

塗る面をきれいに

塗装する面は、古い塗膜や汚れ、サビなどを残したまま塗ると、すぐにはがれたり、塗面が凹凸になったりします。下地調整はしっかりとしておいてください。

風通しをよくして塗る

ペンキは風通しがよいほうが早く乾きます。乾燥が早いと塗膜の状態も良く、塗り重ねるときも早く作業ができて楽です。また油性塗料やラッカースプレーを使うときなども、換気をよくして作業するとニオイがこもらないので、安全です。

ペンキが衣服についたら

ペンキは水性、油性ともに乾いてしまうと落ちません。すぐに落とすことがポイントです。それぞれのうすめ液で落とし、そのあと洗剤で洗います。でも、完全に落とすのは難しいことが多いので、できるだけペンキがついてもよい服装で、ペンキ塗りをしましょう。

上塗りについて

あらかじめ、ペンキを塗っている箇所に上塗りする場合は、同じ性質の上に塗るなら問題はありません。違う性質の塗料を塗るには、上塗りが水性の場合は接着力が落ちますので、ワイヤーブラシなどでこすり表面を粗くしておきます。上塗りが油性の場合は特に問題なく塗ることが出来ます。上塗りがラッカー塗料の場合は下地の色を溶かしてしまい、上塗りの色と混ざり合って、汚くなってしまいますので、やめておきましょう。

実際にペンキを選ぶときには

どんな場所を塗るにしても、水性塗料が一番使いやすく・環境にも良いのでおすすめです。又、現在のペンキの主流でもありますし、家庭内での塗装箇所のほとんどが水性塗料で塗られています。塗る場所に応じた水性の塗料を選びましょう。例外は、屋外の鉄部です。はじめに塗られているのが油性塗料が多いです。磨く手間を省く為に、油性塗料を塗りましょう。

塗装用具の上手に使い分け

スジカイバケ

スジカイバケ

コーナーなど狭い場所や家具などを塗るのに適しているハケで、水性用と油性用があります。

ミニコテバケ

ミニコテバケ

スジカイバケの代わりに使いますが、塗装になれていない方には使いやすいものです。

ニスバケ

ニスバケ

ニスやステインを塗るときに使います。

ベンダー

ベンダー

すき間を塗るのにとても便利です。

平バケ

平バケ

広い面を塗るハケですが、ローラーバケやコテバケを使う方が作業性が良いでしょう。

ローラーバケ・コテバケ

ローラーバケ・コテバケ

広い面を簡単に、スピーディに、きれいに塗ることができます。コテバケは平らな面専用ですが、ローラーバケは、表面
に凹凸があっても塗れるので便利。

ただし、平らな面をローラーバケで塗るとローラーマークという跡が少しつきます。それが気になる場合は、コテバケを使うとよいでしょう。どちらもつぎ柄がつけられるので、高いところも楽に塗ることができます。

コーナーや隅の部分は、先にスジカイバケやミニコテバケで塗っておきます。

受け皿

受け皿

ローラーバケやコテバケを使うとき、また塗料を混ぜて使うときなどに使います。

塗装用具の使い方

新しいハケをおろすとき

新しいハケをおろすとき

新しいハケを使うときには、できるだけ抜け毛をとっておくことが大切です。いきなり使い始めると、抜け毛が塗装面について見苦しくなります。ハケの柄を両手ではさんで回すと毛が浮いてくるので、手でよくしごいて抜け毛を取りましょう。

ハケにペンキをつけるとき

ハケにペンキをつけるとき

ハケにペンキをドップリつけるのでなく、3分の2ぐらいまでにするのが上手に塗るコツです。ハケにペンキをつけたら、缶のふちで余分なペンキを落としてから塗り始めましょう。

コテバケとローラーバケの使い方

コテバケとローラーバケの使い方

受け皿に入れたペンキをコテバケにつけたら、受け皿の高い部分でよくしごいて塗ります。塗るときは、手前に引くように動かします。

ローラーバケは、受け皿でペンキをつけたら高い部分で数回転がし、ペンキが均―についてから塗り始めます。最初はW字にペンキを配り、あとはペンキをのばす感じで塗っていきましょう。

ハケが固まらないようにするには

ハケが固まらないようにするには

ハケ、コテバケ、ローラーバケは、ペンキがついたまま放っておくと、すぐに表面が固まってきてしまいます。塗装中でもしばらく使わないハケなどは、水性、油性どちらの場合でも水につけておくと固まりません。使う前にはよく水を拭き取ってください。固まりかけたハケは、ラッカーうすめ液につけておくと、また使えるようになります。

ハケの手入れ

ハケの手入れ
ハケの手入れ

ハケについているペンキを割りばしや棒でしごき落とし、さらに新聞紙などになすりつけて、残りのペンキをできるだけ落としておきます。特に油性塗料の場合は、この作業をしっかりしておくと、あとが楽です。

洗うとき、水性塗料は水で洗いますが、油性塗料はベイントうすめ液で何度も洗います。油性の場合は灯油で下洗いすると、うすめ液を使う量が少なくてすみ、経済的です。

これで終わりにすると、せっかく洗っても、次に使うときに固いことが多いものです。しなやかにするには、きれいに洗ったあと、水性も油性も台所用洗剤で洗うのがコツです。そして最後に水洗いして陰干しします。

ローラーバケやコテバケもハケと同じ要領で洗ってください。なお、油性塗料は洗うだけでも一仕事です。素手だと手がベタベタになり、手も荒れるのでゴム手袋などをしたほうがよいでしょう。

使い込んだハケは、抜け毛もなく、しなやかで使いやすいものですが、油性の場合はきれいに洗うのが大変なので、使い捨てにするのも方法です。ローラーバケもコテバケもモケットの部分だけ別売りされています。

残ったペンキ缶

残ったペンキ缶

水性塗料はきっちりと缶にフタをしておけば大丈夫です。ただし、水を加えたものは、水が腐ってしまうので、約6カ月しかもちません。薄めるときは、別の容器に移すとよいでしょう。

油性塗料は空気に触れると固まるので、ペイントうすめ液を少し入れ、混ぜずにそのままフタをしておきます。缶のフタはきつく閉めますが、プラスチックの容器はピチッとフタをすれば大丈夫です。

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